後立山(長野/富山) 唐松岳(2695.9m) 2019年7月2日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 3:56 駐車場−−4:26 黒菱平−−4:53 八方池山荘−−5:39 八方山−−7:03 丸山ケルン−−7:42 2650m峰−−7:59 唐松岳 8:17−(雷鳥遭遇)−8:33 2650m峰−−8:54 丸山ケルン−−9:36 八方山−−10:06 八方池山荘−−10:21 黒菱平−−10:32 駐車場

場所長野県北安曇郡白馬村/富山県黒部市
年月日2019年7月2日 日帰り
天候雨&強風後曇&弱風
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場黒菱林道終点に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無冬道は多少の笹のはみ出しあり
危険個所の有無痩せ尾根あり。転落注意
山頂の展望大展望
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメントトレーニングのため雨覚悟で出かけたが、前半は雨と強風で途中撤退を考えるほどだったが、途中から徐々に天候が回復し山頂に到着するころにはガスが晴れてくれた。平日でも八方池への観光客は多かった。もう高山植物がかなり咲いていた




雨の中、黒菱駐車場を出発 ゲート。白い点は雨粒
黒菱平 黒菱平から濡れた木道
石畳をジグザグに登る リフト頂上駅と八方池山荘
給水施設を通過 振り返る。強風を避けて巻道へ
巻道は残雪を横断。だから通行止めか ミヤマオダマキ
ショウジョウバカマがまだあった 公衆トイレで尾根道に合流
公衆トイレ 第二ケルン(標高2000m)。強風で時々よろめく
八方ケルン(標高2040m) 八方山。強風と雨で帰ろうかと思った
八方池 唯一の樹林帯
標高2150m付近。風が弱まった 標高2200m付近で冬道へ
冬道も良好 コイワカガミ。八方尾根上部にもたくさんあり
標高2220m付近 ハクサンチドリ
2361m峰への登りは雪田。ガスが上がり始めた 2260m鞍部のシラネアオイ。この付近だけにあり
2361m峰直下の雪田 雪田上端の冬道
2361m峰 2360m地点で夏道に合流
丸山ケルン手前の雪田
丸山ケルン
気温は+7℃程度 標高2460m付近
チングルマ。咲き始めたばかり 標高2500m付近で再び冬道へ
標高2520m付近 標高2580m付近。昨年同様巻道は通行止め
標高2620m付近。唐松岳もガスから出た 2650m峰の左を巻く
2650m峰から見た唐松岳 2650m峰から見た五竜岳方面
唐松岳山頂へ登る 唐松山荘を振り返る
唐松岳山頂。背景は剱岳だが雲の中 唐松岳から見た白馬岳方面
唐松岳からの360度パノラマ展望写真(クリックで拡大)
下山開始 今年初めて雷鳥登場
アップで撮影 こちらが動くと登山道を走って登っていった
2650m峰から下る 先行パーティー。最後尾の男性は岩場でビビってた
オオタカネバラ。1株しか花は見当たらなかった ミヤマアズマギク。たくさん咲いていた
下山途中、八方池付近から。だいぶ雲が高くなったが、これが最高条件で以降は再び雲の中
小学生の団体が登ってきた 帰りの黒菱平。また雲が降りてきた
黒菱駐車場。平日なので車は少ない


 今年も7月に入りいよいよ気温が上がってきた。西日本では本格的な雨だがこちらではっきりしない天気が続き、長野の平野部では微妙だが、山沿いで雨模様の予報。近場の未踏の山で標高の高いところは皆無で、どうせ降られる可能性があるのなら例年通り標高の高く涼しい北ア詣でに切り替えることに。北に行くほど天気がマシなので、日帰りで雨に降られても許容できる場所で一番北ということで唐松岳へ。今年は7/1に黒菱林道が開通したことは確認済みである。ただし、午後には雷雨の可能性ありとのことで早めに上がることにし、天気によっては山頂を諦めることも考えておく。今回は足慣らしができればいい。

 開通直後の黒菱林道はまだ整備が終わっていないようで、路上には枯れ枝が散乱したりと雪解けの跡が残っていた。それでも問題なく終点の駐車場へ。車は1台のみだが平日だし夜だし、明日の天気予報も良くないし。夜中に上がってくる車は皆無だった。

 翌朝は夜明け前から雨。まあ、予報もこうだからしょうがない。雨具を持って傘を差して出発。幸い、風はほとんど無いので傘が使用可能。出発時の標高は約1500mと最近登っている山々の山頂より高く、体が温まるまでは寒いくらいだが、どうせすぐに体が温まるので半袖半ズボンにロングスパッツで出発。

 出出しの急な林道をゆっくり上がって黒菱平へ。木道からはみ出す濡れた笹もロングスパッツで足元が濡れることは無い。八方池山荘までの登山道も整備して延びた笹を刈ってくれるといいのだが。リフト頂上駅の八方池山荘まで達すれば足元に触れる藪も無くなり遊歩道。ただし風が強くなり傘の使用が難しくなってきた。遊歩道が分岐する箇所では尾根直上ではなく南を巻くルートへ入って風を避けようと考えたが、入口にはロープが張られていた。おそらくこちらのルートには雪が残っているのだろうが、観光客とは違ってアイゼンもあるのでそのまま進む。案の定、途中で20mほど雪渓を横断する箇所があり、かなり雪が締まってキックステップがほとんど効かなかったが、アイゼンを付けるほどの距離ではないので強引に通過。これでは一般観光客は通過できないので通行止めは正解だろう。この雪が消えるまで1週間もかからないだろう。

 その後は障害となる残雪は無く、公衆トイレ近くで尾根道に合流。ここで風が強まりもう傘が使えないレベルなので安物の雨具を着用。劣化したゴアよりも防水性は高いが、靴を履いたままズボンを履けないので雨の中で登山靴を脱いで雨具を着用。これが安物の最大の欠点だ。

 北寄りの強風で雨が横から降ってくる。気温も低く手が冷えるので防水手袋を着用。八方池付近では体がよろめくような突風が時折襲ってくる。八方尾根上部を見てもガスに覆われており、このまま進んでもろくな目に遭いそうもない。体力作りの観点から丸山ケルンぐらいまで頑張ってから下山することにした。しかし唯一の樹林帯を通過すると雨はほど止んで風も弱まってきたような。ガスも徐々に高さを増してきたような。これまでは悪天でほぼやる気無し状態だったが、もしかしたらこのまま回復傾向かも知れないと期待してちょっとだけ元気を取り戻す。

 扇雪渓へ至る巻道の入口である標高2200m付近でロープが張られ、尾根上の冬ルートに導かれる。冬道は初めてだがかなりの濃さで普通の登山道と変わらないレベルで迷う心配はないほど。森林限界を超えてハイマツ帯に入るまでは笹のはみ出しがあるが、それほど酷くはない。標高2260mでは微小鞍部があり、ここだけシラネアオイが咲いていた。今年初めてでちょっとうれしかった。

 2361m峰直下は広く雪渓が残り、そこにベンガラでルートが描かれている。そこそこ傾斜があるので念のため6本爪軽アイゼンを装着して登り始めたが、登山者が多く自然にステップが切れているのでアイゼン不要でも登れる程度であり、帰りはノーアイゼンで下った。八方尾根でアイゼンを使うとしたらここだけで、これより上部では雪が残っていても傾斜が緩い場所だけであった。

 丸山ケルンに到着するころには雨は完全に上がり、風も弱まって体が振られるようなことは無くなった。ただし無風になったわけではなく雨具を着ていないと体感的には寒いくらいだ。登りで雨具を着て適度な体感温度だから、さすがにアルプスだ。温度計は+7℃前後を指していた。ガスもさらに高度を上げて、八方山から見た時には丸山ケルンは完全にガスの中だったが、今はさらに先に見えている。さて、山頂に到着するころには山頂もガスから出てくれるといいのだが。でも雨も上がり風も弱まったので、ガスっていても山頂まで行くつもりだ。ここで下りの単独男性とすれ違う。登りですれ違ったのはこの1名だけだった。

 この先は夏の巻道の部分は尾根上を通過するようにロープで誘導される。まあ、ここまで来ると大半の夏道は尾根上なので、ほとんどが夏道を歩くことになるが。ガスが上がる速さと私が歩く速さが同期して、ガスに突入しそうで突入しなかった。そしてとうとう唐松岳山頂が姿を現し、山頂でガスに巻かれずに済みそうだ。

 昨年も通行止めだった2650m峰の巻道は今年も通行止め継続らしく、ロープではなく鉄パイプで塞いだままだった。尾根道には雪は皆無で問題なし。ただし昨年は設置されていた痩せ尾根部の手すりはまだ撤去されたままだった。たぶん近日中に設置されるのだろう。2650m峰からの眺めは五竜岳はガスの中で南はほとんど見えないが、北側は不帰嶮から天狗ノ頭までは見えていた。立山方面は毛勝三山以北は見えたが剱岳や立山はガスの中だった。東も雲に覆われていた。

 鞍部に下り、最後の登りで唐松岳山頂に到着。いつの間にか風は南西方向に変わり、風が避けられる北東側で休憩。山頂で休憩している間はずっと無人だった。平日だからなぁ。日差しは無いし気温は+6℃前後で寒く、山頂に長時間いても劇的に展望が良くなるとも考えられず、20分弱の休憩で下山開始。

 天気が悪いので雷鳥が出ないかと登りはキョロキョロしながら歩いたが見当たらなかったが、帰りは山頂直下で今年初の雷鳥に遭遇。さすがにもう白い羽は皆無で「夏服仕様」だった。

 唐松山荘に宿泊したパーティーだろうか、2650m峰に人の姿が。2650m峰を越えて痩せた岩尾根を下る箇所で5,6人のパーティーに追い付いたが、本来はリーダーが務めるべき最後尾の青年は、岩っぽい箇所はおっかなびっくりで歩いていた。明らかに岩場の初心者だが、八方尾根程度ならさほど危険度は高くないので、初心者が経験を積むにはちょうどいいかもしれない。広い場所で追い越させてもらう。私は右膝が心配で下りは昨年までのようなスピードでは下れないが、それでもこのパーティーよりはずっと速かった、というよりはこのパーティーがかなりのんびり歩いていたと表現するのが正解だろう。

 天候は徐々にだがさらに回復傾向で、八方池まで下ると鑓ヶ岳と杓子岳までは見られるようになった。また、ここまで下るとリフトが運行開始してリフトから登ってきた登山者とすれ違うようになった。また、観光客の姿も多くなり、小学生の集団も登場。朝と違って雨は降っておらず高曇りで風も弱く、まあまあの条件だ。ただし下界はすぐ足元まで雲海が迫って見えないし、南側も雲が沸き上がって美ヶ原や八ヶ岳などが見えないのが残念。

 リフト駅を過ぎれば再び静寂の地に。そして雲海に入り展望が無くなるが、今となっては逆に涼しくていい。黒菱駐車場に到着すると車は10台程度で、見かけた大半の観光客は麓の八方駅からゴンドラで上がってきたようだ。運行開始時刻はそちらの方が早いので、それが一般的なのだが。

 心配していた右膝は弱い痛みが出ただけで翌日には違和感も無くなり、どうやら少なくとも日帰り装備なら問題ないようだ。今年は下りは意識してゆっくりと歩こう。

 

山域別2000m峰リスト

 

ホームページトップ